ブログでのご報告が遅くなりましたが、モリス、正式譲渡になりました。
たまゆらは2017年11月19日にオープン、オープニングメンバーは11月2日にお店にやってきました。モリスはオープニングメンバーの中のひとりです。
ほとんどが仔猫の中、朴訥とした雰囲気をまとい、ミルクティー色の毛色と極短のうさぎ尻尾が目を引く猫さん、それがモリスでした。
特に目立つヤツ(愛を込めて「ヤツ」と呼ばせてください)でもなく、
人に甘えるわけでもないのに、なぜかお客様から愛されるキャラクターのモリス。
モリスのことを新規のお客様に紹介する時、
“大体寝てます。ぬっと起きてきてたまに遊んでいると「あのモリスが起きてる…っ」と常連さんに驚かれるんです”
そんな失礼な紹介の仕方をよくしていました(笑)。
おトイレを失敗(というか狙ってたのかも💦)する時期もありました。柔らかい布の上で大も小もしていて、洗えるペットシートを用意し、猫砂を色々試した上で、モリスが布の上でホリホリ…とする度に「なんでやねん!」とツッコまずにいられませんでした。
食欲にもムラがありました(というかただのワガママだったんですが)。
最後まで皆と一緒にご飯を食べず途中で食べるのを止め、キッチンにポテポテと向かい、スタッフをじっと見つめ、
「ほら、あれ、あるでしょ。あの美味しいふりかけかけてほしいんだよね。」と、ひとり特別メニューをもらえると信じて疑わず、ゴーイングマイウェイっぷりをずっと続けていたモリス。
3月頃は、当時里親募集中だった黒猫のさわちゃんをいじめるようになりました。さわちゃんが卒業してからは、黒猫のぴーちゃんとの仲が悪化し、お互いに傷を負ってしまうほどのケンカをするようになってしまいました。
掴み所のないモリスが考えていることを汲み取るのは難しく、ただ、何か、不満なのか、生活しづらさなのか、なにか満たされない想いがあったのだと思います。
そんな時に、先に卒業していたひよりちゃん(現ロロちゃん)の里親様から、モリスを是非うちにお迎えしたいと声をかけていただきました。
渡りに船!といったかんじでしたが、
モリスは最初仲が良かった猫に対しても、急にいじめたりするところがあり、ロロちゃんに対してもそうなりかねない…と、一抹の不安が。
ただ、モリスの問題を笑い飛ばして受け入れてくださるロロちゃんの里親様にすべてを託しました。どうなってもこちらも受け入れようと。
基本的には「戻ってきちゃダメだよ」と送り出しますが、
モリスに限っては「戻ってくるかもしれない、戻ってきてもいいよ、ロロちゃんをいじめちゃうくらいなら…」という思いで送り出しました。
そして迎えたトライアル出発日。
特に愛想の良いわけでもないのに、人気のあったモリス。
別れを惜しむモリスファンのみなさんも一様に、モリスのトライアル出発を待ちわび、トライアルの成功を願ってやまない想いに溢れていました。
トライアル初日こそ、借りてきた猫のようになっていたモリス。
日を重ねるごとに、トライアルの様子をお知らせくださる里親様の文面に不安の陰が見え始め、トライアルも予定より延長させていただきました。
夜鳴き(あの小声のモリスが!)で睡眠不足の里親様が、「それでもモリスはかわいい」と仰ってくださる度に、「モリスぅぅ〜!!愛されてるなぁ〜!!」と叫び出したくなるほど胸が熱くなりました。
予定より延長になったトライアル期間。
里親様から静かに「おうちの子に迎える決心がつきました」とメールが届きました。
モリスは「守蔵(もりぞう)」という名前をもらいましたが、里親様は「変わらずモリスって呼んでください、家ではアイツとかコイツとか君!とか雑に呼んでるときもあります」とのことで(笑)。
その屈託のない飾らない愛情表現が、私はとても嬉しく、眩しく感じます。
お店では、撫でられるのもあんまり好きそうではなく、身をよじらせて人の手を避けていたモリスですが、
甘えたい時は里親さんの周りをウロウロして(そんな可愛いことをするのかモリスよ!笑)、
「なんだ甘えたいのか!こいつめ!」とわしゃわしゃ撫でているそうです。
お店にいた時とはまるで違う様子を里親様から聞くたびに、目頭が熱くなってしまいます。
モリスは食欲の問題などがあり、保護猫カフェとシェルターを何度か行き来していて、
ずっとのおうちを探すために寄り道をたくさんしましたが、今の里親様と出会うために道草食ってたんだね、モリス!
さらば、行け!ご無事に暮らせ!もしこれが、永遠のお別れならば、永遠に、ご無事に暮らせ。(太宰治)
トライアルに向かう猫さんたちを見つめながら、いつも、このフレーズが頭をよぎります。
さようならは寂しいものですが、
家族に迎えられた猫さんたちとのさようならは、とっても幸せです。
モリス、ロロちゃん、里親様、どうぞ末永くお幸せに!
(スタッフ戸田)